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English
「私とは、他者と共に絶えず変容していくものである―。」
僕の絵は、抽象的なものが多いですが、その現れは、常に、極めて具体的な「他者」が関わっています。
僕は、さまざまな素材や手法をMIXして作品を描きますが、主な手法に「私的写真のスライドショー」があります。それは、僕の0歳~現在にいたるまでの、他者との記録(約4万枚)をPCでランダム再生し、その移ろいゆくスライドを、ぼーっと眺めながら、色を塗り、線を引き、記憶を繋ぎ、重ねながら、ひとつの全体像を、丹念にあぶり出していきます。
また、2008年から描き続ける「粒のシリーズ」でも、私的写真や日記からイメージを膨らませて、増殖する細胞のように、小さな円と色面で細かく肉付けしています。
これらの制作は、過去に出会った「多くの他者」に焦点があります。
また他方では、他者と直接、一対一で向き合い、まるでチェスを行うかのように、絵を描くこともしています。僕とあなたで、交互に線を描き、色を塗り、連想ゲームのようにイメージを出し合いながら、ひとつの物語を紡ぎ出します。
この制作は、今、目の前にいる「一人の他者」に焦点があります。
…このように、様々な他者との制作の中で、自分の意図を越えて、いったい何が現れてくるのか―。僕はむしろ、そのわからなさを楽しみながら、他者と共に迷い、考え、また迷い、その繰り返しの先に、「私」というもののイメージがあります。
僕は、「自画像」を描いています。
絶えず変化する「私」を、
絶えず変化する「他者」と共に、描く―。
一枚絵を描くたび、新たな出会いを期待しながら、
「私」という自覚を深めていきたい。
「わたしはあなた、あなたはわたし―」
― 垂谷 知明
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